日別アーカイブ: 2017年3月4日

お米マイスター全国ネットワーク会議 東京編 2017年2月

先日の日曜日は、「お米マイスター全国ネットワーク会議」という研修会に行ってきました。

富士山の噴火が、関東ローム層が生まれた原因のひとつと言われています。

「粘土、シルト(砂より小さく粘土より粗い砕屑物)、砂の混合物はロームと呼ばれ、空気が自由に循環し、水はけがよく、植物が養分を得やすいので、理想的な耕土となる」(築地書館「土の文明史」より引用。()内は引用者補足

飛行機からはたくさんの耕作地が見えて、同じ地域にある畑でも、色が濃かったり、薄かったり。

園芸をやっている方はご存知でしょうが、お店で売られている腐葉土は、「土」と書いてありますけど、ホントは土でなく、それこそ葉っぱや枝のクズです。それが細菌類によって分解されて黒くなっている状態。そういった有機物が土に鋤き込んであるかどうかで、土の色が変わります。黒い畑には、有機物が多い。

有機物が多いと、土の中の細菌類や虫などが増え、その作用で土壌の無機質を植物が摂取できるような形にします。窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄は、主に肥料から摂取できますが、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅、モリブデン、塩素などの微量要素は、土壌から摂ることになります。

人間の体の場合は、炭水化物、タンパク質、脂質といった主な栄養素と、ビタミン、ミネラルなどの副栄養素が、自らの健康を保つために大事なのですが、それと同じような感じです。

長年耕作していけば、だんだんそういった栄養素は土から無くなってきますので、畑の中の生物が土を分解して新たな栄養素を作る手助けをしなければならないのですが、もちろん、化学肥料や品種改良などで収穫減を乗り越える手もあります。

有機肥料による地力の向上と、新品種開発や化学肥料の使用と、どちらが優れているか?自然派か?それとも科学の力か?などという発想は、まあ現場の人からみればおそらくどうでもいい考え方じゃないのかなと思います。とにかく良いと思ったことはいろいろと試して結果を出していかないと、美味しいお米を作り続けるブランド産地なんて維持できないんじゃないだろうかというのが、今のところのボクの結論です。

研修会場では、生産者によるブースも多数あり、いくつかの産地の方とお話しをしました。皆さん、有機肥料を使用し減農薬減化学肥料栽培の特別栽培米であることをアピールされてましたから、さすがにブランド米を栽培している産地ばかりだなといった印象でした。あとは栽培方法の狙いが的確かどうか、現状を見極めているかどうかで、ブランド差がついているのかもしれません。生産者さんたちは、そこはもうプロの集団ですから、一米屋としては見守るだけですけども。

新品種もチラホラと見受けられました。今年の秋は新品種のデビューが続きますから、来年の参加が今から楽しみです。