日曜日は田主丸へ 麦を収穫してました。

この前の日曜日は、田主丸の古賀さんのうちに玄米を引き取りに行きました。

いつもなら、お店まで持ってきてくれるのですが、「田植えで忙しいから」ということなので。ああ、もうそういう季節なのか、と毎年のことながら季節の巡りを感じます。米の収穫が終わるまで、田主丸に度々訪問する時期がやってきました。

写真は、古賀さんの田んぼに植える苗床。写真奥に連なっているのは、耳納(みのう)連山といいます。

麦も収穫時期を迎えていました。麦刈りの光景をあちこちで見ることができました。

「いやあ、麦茶の季節だなあ」と一人感慨に浸って撮影してましたが、今写真を見ると、どうやら小麦ですねこれは・・・。(一般的には、二条大麦はビールや焼酎に、六条大麦は麦茶や押し麦に使用されます)

麦畑は収穫後、苗を植えられて田んぼになります。二毛作ですね。上の写真は、左側が麦畑、右側が田んぼです。皆さん忙しそうでした。

雨が降ると麦の収穫が出来ませんし、梅雨はもうそこまで来ています。多少濡れても無理やり刈り取ることもできそうですが、輸送するときの重さが全然違うでしょうし、さらに乾燥時に手間と時間と燃料がかかります。品質も悪くなると。

すでに昨日今日と怪しい曇り空が福岡の空を覆っていて、いつ雨が降ってもおかしくありません。刈り取るとしたら、この日がギリギリだったわけです。しかしまあ、いいタイミングで写真を撮ることができました。

梅雨前の麦の収穫時期を麦秋(ばくしゅう)と言います。小津安二郎監督の作品で「麦秋」という映画がありましたので、だいぶ年配の方に限られると思いますが、ご存知の方は多いかもしれません。記憶では、神名備山とでもいったほうがいいような、こんもりおわん型の山が背景の麦秋のシーンでした。

江戸時代以前は、春から初夏にかけて食糧事情が悪かったため、一年の中で一番死者が多い時期だったそうです。いわゆる穀物の端境期(はざかいき)ですね。餓死というよりは、栄養状態があまりよくない時期のため、病気になりやすかったし、治りにくかったというのが理由だそうです。

この麦の収穫時期を秋となぞらえる感性も、そういった生活の中から生まれたのではないかと思います。喜びや祈りが、言葉の中に込められています。飽食の時代で輸入作物の40%を食べずに捨てている今の現状からは、考えられませんけども。

そんな飽食の時代に、日本人の摂取カロリーは、1970年くらいを境に年々減っています。これだけでも驚きなのですが、加えて肥満は増加。なぜか。

もちろん、脂質の多い食事が多くなったことも挙げられますが、どうも朝ごはんを食べなくなったのが原因のようです。朝ごはんで摂ったカロリーは、昼間の生活の中で消費することができますけども、晩ごはんになるとそうはいきません。朝ごはん、大事です。

ちなみに、この麦の収穫時期に合わせるように、6月1日は麦茶の日、6月16日は麦とろご飯の日となっています。皆さん、電力供給の不安な夏がやってきますが、ビタミン、ミネラル、食物繊維の多い麦とろご飯で夏バテを防ぎましょう!(と、ちょっと営業!)

耳納連山の向こうは、玉露日本一の八女(やめ)地方があります。

日曜にFacebookでこの写真をアップしたところ、「この写真だけ見ると、秋っぽい。。。でも、空が夏なんだよね~~。じっくり見ると不思議な写真だなぁ。」というコメントがありました。

確かに、夏と秋が一緒に混在している感じで、季節の巡りや、時の流れが強調されているような光景ですね。この中を映画の「麦秋」では、花嫁行列が進んでいくわけです。すごいなぁ、小津安二郎。うん、まあ映画は白黒なんですけどもね。

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