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新米!七夕コシヒカリの産地、佐賀県白石町に行って来ました!

8月7日に出荷式が行われる予定の新米、“七夕コシヒカリ”の産地、佐賀県白石町に行ってまいりました。先週の日曜の圃場の様子です。

白石平野。すでに黄金色に色づいていました。これからもっと深みを増していくでしょう。

とにかく日陰がないところなので、帽子を被って、首にタオルを巻いての撮影です。

買ったばかりの一眼レフの活躍した日でした。夏の空を背景に、たわわに実る稲穂。

この八月、九月の新米の中では、毎年ダントツの評価を頂いているコシヒカリです。全国的知名度を持ちながら収穫量があまりないため特定の販売店でしか取り扱われず、2ヶ月くらいで売り場から姿を消すため、幻のコシヒカリとも呼ばれています。

しかも減農薬減化学肥料の特別栽培米です。その点でもこの時期の新米の中では、かなり珍しい銘柄となっております。

旧暦の8月7日、七夕の日前後に収穫されるため名付けられた“七夕コシヒカリ”。
この白石町は日本三大歌垣の里としても知られています。

歌垣とは、若い男女が求愛の詩を歌い合う風習で、遠く奈良時代の風土記に、この白石での記録が残っています。

恋愛歌である歌垣の里で、彦星と織姫の恋物語である七夕の時期に収穫される、七夕コシヒカリ。この偶然。

こちらは、白石の名産品でもあるレンコンの畑。綺麗ですね~。

恋愛も大切だけど、レンコンも大事。

白石町は干潟で有名な有明海に面し、江戸時代以前から続いた干拓地。この地力に富む重粘土の土地が、他の新米を寄せ付けない美味しさの原因にもなっています。

白石町は、玉ねぎがなんといっても有名。やわらかく粘土の高い畑の土中で育った玉ねぎは、甘みとやわらかさを兼ね備えています。

毎年、当店で七夕コシヒカリを購入されたお客さまに、この玉ねぎをサービスしておりますが、今年もやります!パチパチパチパチ!産地の皆さまからのご好意です。いつもありがとうございます!

こちらは白石町のマスコットキャラクターの“しろいしみのりちゃん”です。

特産品の玉ねぎの帽子、イチゴの服、レンコンのポシェットの愛くるしい姿。有明海苔と稲穂やおにぎりも見えますね。

この愛くるしい“しろいしみのりちゃん”の、ちっちゃなシールも、ご希望の方にプレゼント致します!白石町役場のご好意により、ゲット致しました!通販の方は強制で同封致しますので、ご覚悟を。

白石町のパノラマ写真です。写真クリックで大きくなります。

ご覧のとおり、この白石平野の中で、米や玉ねぎ、レンコン、イチゴ、その他諸々の作物が育てられています。生産者も若い方が多く、これからも期待しています。

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ここでちょっと話しが変わり、残念なニュースなのですが、皆さんは日本でも遺伝子組み換え作物の利用が進もうとしていることは御存知でしょうか。いま、そのことの是非について農水省がパブリックコメントを募集しています。

遺伝子組み換え作物の国内利用の申請は、何度か却下されているので、今回もそうかもしれませんが、バッドニュースはバッドニュース。

いくつか問題点が指摘され、賛否両論はあるのですが、個人的には手間を惜しむ単作物単品種の大規模型農園が、日本の田園風景や食文化とかけ離れすぎて、良い結果を招くようには思えません。

コーンフレークやハンバーガーが主食でどこ行ってもおんなじ料理なら、野菜の種類が少なくてもいいのだろうけどもねぇ。日本のようにちょっと移動しただけで、多様な郷土料理に遭遇する国に向くかどうか。バラエティーに富む日本料理の衰退にもなりかねませんし、決してプラスにはならないでしょう。

もし何かご意見がおありの方は、下記農水省のサイトにて、パブリックコメントを募集しておりますので、そちらに送ってみてください。8月4日まで受付だそうです。

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/120706_1.html
【農水省:遺伝子組換えアルファルファ、ダイズ及びトウモロコシの第一種使用等に関する審査結果についての意見・情報の募集(パブリックコメント)について】

チェルノブイリの原発事故のあと、欧州は農業を復興させるためもあり、有機農業に力を入れた経緯がありましたが、そのことを鑑みると、福島第一の事故のすぐあとに、遺伝子組み換え作物を許可するようでは情けなさすぎ、ビジョン無さすぎ、という気持ちになります。

実際、TPPに将来的に参加するにしても、遺伝子組み換え作物のような低コスト路線よりも、有機農産物のような品質や希少性での勝負にしないと、日本、特に東北の農業の維持や発展はありえないんじゃないかと思います。

低コスト路線では、国土の広い農産物輸出国には勝てませんし、結局国内の農業を食いつぶしていく段階でしか利益がでないやり方ではないかと思うのです。

国内の消費者も、大体同じような危険性なら安い海外産を買うほうが得という判断になりますよ。きっと。

というわけで、当店はこれからも日本の美味しくて安全性の高い農産物を応援していきます!品質勝負の七夕コシヒカリ、ご購入お願い致します!

なんというオチ(>_<)。

月曜は他にもいろいろと見学をしていたのです。

この前の月曜日は、佐賀県白石町の七夕コシヒカリの圃場だけでなく、色々なところに見学に行っていました。

まずは佐賀の基山の天野商事さんのところへ。

こちらは、主に学校給食や福祉施設、飲食店などにお米を販売している会社なのですが、とにかく自社サイトが抜群に綺麗です。一度ご覧頂くと分かります。

http://riceshop.co.jp/
【Riceshop(天野商事株式会社)のサイト】

左から3番目が総務の天野龍さんです。サイトをご覧頂ければ分かるとおり、非常に写真が上手くて、個人的に相当焦りました。梵天丸もかくありたい。

天野商事さんは、地元である基山のお米にこだわって営業されていて、地産地消を推進されています。

給食や病院食、飲食店などのご飯は、信用度や美味しさの満足度からいえば低く見られたり、疑われがちですが、こういった真面目な会社もあるのです。皆さん。

写真に写っている方々は、左から緑ヶ丘米穀さん、山口米穀店さん、天野さん、梶谷米穀店さん、末安商店さん、社家町米穀店さんとなっております。

梶谷米穀店さん、社家町米穀店さんは、全国でも有名な米穀店です。今回たいへんお世話になりました。ありがとうございました。

もう一枚の集合写真の一番左が自分。きちんと息を吸ってお腹を引っ込めていました。

奇遇にも天野さんとボクには共通点があって、福岡で10年前くらいにあったカエターノ・ヴェローゾというブラジルのミュージシャンのコンサートを同じ会場で観ていたのです。まさか米業界でこのコンサートを観ていた方がこんな近くにいるとは思いもよらず。中高年ばかりが多いコンサートでしたけども。

見学メンバー感心しきりの天野商事さんをあとにして、昼食をとります。

久留米のキャトルセゾン旬でランチ。福岡ではイムズにありますけど、久留米のこちらが本店です。

じゃーん!

お米はJAS有機認定の無農薬の米。あるところにはあるんだな~。しかもおかわり自由でした。これはいいところを知りました。

ちなみにナチュラル食品と雑穀を販売している“ゆずり葉”というお店も併設されていて、どちらも同じ会社「ベストアメニティ」が運営しているのですが、コーヒーの陳列棚に「POP COFFEE」さんの豆がありました。ここのコーヒー豆は、当ブログではおなじみの笹丘のカフェ「chocon」さんでも使われていて、ボクもよく飲んでいます。見つけてちょっと嬉しかったです。

ランチのあとは、末安商店さんのお店である「こめこめ倶楽部」がテナントとして入っているサザンモールへ。同じテナントの「ドラッグストア愛敬」さんのPOPがすごいということで、そちらも見学させて頂きました。

久しくPOPというPOPを作成してなかった身としては、こういった季節に合わせて手の込んだ楽しいPOPをちゃんと掲示してあるお店には、気持ちがひるんでしまうのが正直なところ。

作成方法は分かるし、真似が出来ることも分かるのですが、その手間のかかりようも分かってしまうのです。

しかもPOPだけでなく、定期的なチラシや告知、お礼状であるとか、そういった地道な作業もされていて、見習わないといけないところ多々でした。

ここだけの話し、小売の店舗運営というのは値引きだけしてもダメ、広告を打つだけでもダメ、POP作るだけでもダメ、という世界なのです。それらを同時に進めていかないと効果がでないのです。

POPを替え、陳列を替え、セールの告知をして、新商品の説明をして、といったことを同時に進めていって、お店が刻々と変化していることに気づいて頂くことが大事。分かっているのですけど、なかなか個人商店みたいなところは難しいのですよねぇ。課題です・・・。

http://aikei.blog.ocn.ne.jp/blog/
【ドラッグ愛敬のブログ】

いろいろと自分の未熟な点、課題を突きつけられたような見学でしたが、帰りの高速では虹を見ることができました。まあ、まるで祝福されているようではないですか。頑張っていきます!

最後に、見学を快く受け入れて頂いたうえに、写真をブログにアップすることも快諾された天野商事株式会社さん、ドラッグストア愛敬さんに心よりお礼申し上げます。

七夕コシヒカリの圃場の様子

昨日は、福岡の米屋有志が集って佐賀県白石町を訪れました。白石町は8月初旬に販売される“七夕コシヒカリ (減農薬・減化学肥料 特別栽培米)”の産地です。

6月後半から現在まで豪雨が続くことが多いこともあってか、視察にも熱がこもります。先輩のお米屋さんからも色々と見分け方のアドバイスなども頂くことができました。大変貴重な財産となりました。この場を借りてお礼申し上げます。

写真左は全国でも名の知られた福岡を代表する米穀店の先達たち。右側のグループはホープたちです(おひとりだけJA白石の方)。

移動中にチラッと思ったのですが、このメンバーが土砂崩れに巻き込まれたら、かなり貴重な人材が失われていたに違いありません。

米は至るところで販売されていますが、違いをちゃんと説明できる人の割合は非常に少ないのです。米穀店自体減っていますし。

悪天候が続いていたので心配していたのですが、しっかり育っていました。今日のような晴天が続けば品質も期待できます。

毎年、8月9月の新米の中では全国でも一番の美味しさと品質を維持し、減農薬減化学肥料の米としても貴重な存在である“七夕コシヒカリ”ですけども、さすがに今年の豪雨には心配になりました。

今回、圃場を見に行ったことでストレスがいくぶん軽減しました。

七夕コシヒカリ圃場の畦です。青々と雑草が生えてきていますが、逆にこれは過剰に除草剤を使用したり、畦に振りまいていない証拠。

チェックの厳しい特別栽培米ですので、その点を心配する必要はないのですけども、こういったところも田んぼ視察のポイントなのです(って教えて頂きました)。

新しいカントリーエレベーター。ここで収穫した籾を乾燥させ、石抜き、籾摺りなどの工程を経て、玄米にします。こういった大型の施設は、個人農家用の施設とは、調整の仕上がり精度がかなり違います。こういう最新施設があると米屋としては非常に気が楽です。

数年前に七夕コシヒカリの玄米の中に麦がごく少量混入していたことがありましたけど、今後はそういったことの起こる確率はかなり低くなると思います。

(同じコンバインで麦刈りも稲刈りもすると、コンバイン内部を掃除してもどこかで混ざってしまうものなのです。そういった米に混入した麦や小さな石、雑草の実などを取り除いたものが、普段目にするお米となります。この調整がけっこう難しく機材も高価なのです)

なにはともあれ、期待の持てた白石町探訪でした。