佐賀県産・上場コシヒカリの新米を入荷致しました。
【上場コシヒカリ 26年産玄米】
前回のエントリーで、心配しているような心配していないような文章を書いていましたが、到着した玄米はとても綺麗。さすが佐賀米。
「もう少し活き青(未成熟粒)が混ざっていたほうが、早場米の新米らしいのにな」などと、ほんとに余計な贅沢を言ってみたり(※一般的には入っていないほうが、良いお米と言われます)。
試食も上々でした。甘さも強く、食後の後味の印象も非常に良かったです。「あ~、美味しいお米食べたな~」という印象を食後に持ちやすい仕上がりになっています。食後すぐに歯磨きをするのが惜しい、と言いましょうか。飲食店などで使用すると、お客さまの点数を稼ぎやすいのでは。
価格は玄米1kg500円に決定。今年の新米は、随分と下げ相場から始まっていますので、25年産より少しお安くなっています。
今年は非常にお米の価格の暴落が心配されていまして、一部の銘柄では大変なことになってきています。非常に仕入れに注意を要する年になりそうです。
この上場コシヒカリも下がりましたが、踏ん張って価格を維持している印象です。あまり下がり過ぎると、生産者の手取りが随分と減りますから、ますます離農が進み、数年後には大変なことになりますから、その点でも今回の上場コシヒカリはやや安心しました。
明日には通販サイトのほうも26年産に切り替えますので、通販のお客さまは今しばらくお待ちくださいませ。
さてさて、生産者の離農も問題ですが、自分のいる側の米屋の減少も問題です。ほんとに若手が少ない。でもそんななかで、店を継いで頑張っている若い人はいます。
今週は知り合いのお米屋さんが業界紙に大きく紹介され、非常に励まされました。
神奈川県茅ヶ崎の中丸屋商店さんです。彼はスゴイです。この満面の笑みからは想像できないほどの研究家であり、アイデアマンです。
きっとこれからも、どんどん楽しいお店に発展していくでしょう。
写真は先日紹介した「日経おとなのOFF」の誌面の一部。「いい米店の条件」。当店の場合は、2個から3個くらい当てはまっています。フフフ。
ただおそらく、プロの間では、こういう条件で良い米店かどうかは判断はしないでしょうし、実際、ボクもこういったことで判断しません。あまり大きな声では言いませんが。
もし、ボクが良い米店かどうかを判断するなら、米店の人に“フェチズムを感じる”かどうかを重要視します。もっと具体的に言うと、“精米フェチ”かどうか。“米フェチ”かどうかではなく、“精米フェチ”かどうかです。
なぜなら、“米フェチ”の方はプロ以外にもたくさんいらっしゃいますが、“精米フェチ”になると、グッとプロの世界に入るからです。
そして、精米に非常にこだわりのある“精米フェチ”の人は、白米のみならず玄米の扱いが丁寧ですし、仕入れにも相当気を使います。ですから、玄米を購入する際も安心なのです。
そして、そのフェチぶりを感じさせる人が、実際の現場にいると、さらに良いですね。
そういう人が現場にいて仕切っていた場合は、米の保管方法や陳列の仕方、作業の手順、掃除の仕方などが、ちゃんとした理由で決められています。規則性があるのです。ですから、商品の提案なども、きちんと結果を考えた末に導き出していきます。
米販売をしていて、つくづく思うのは、量販店に卸すような大きな米穀会社も含めて、米業界の人は目利きばかりだということです。そういった人たちの間で、流通価格、小売価格が決まっていきます。
ですから、そういった状況の中でキラリと光る良いお店を見つけたいのであれば、非常に個人的な要素である“フェチ”という部分を表現できているお店を選ぶことに尽きます。
逆にそういったものを発揮できない環境であれば、あまりオススメできないお店といえます。結果的に「こだわりのないお店」ということになりますから。
もちろんこれは個人的見解であって、他にも色々な判断材料があると思いますが、ボクはこの点が非常に重要だと思っています。
そういった意味で、「日経おとなのOFF」の“東西旨い米の六番勝負!”と銘打った食のプロの対談ページが非常に面白かったです。
銀座寿司幸本店代表取締役の杉山氏、うなぎ・割烹大江戸10代目の湧井氏、農産物流通コンサルタントの山本氏の対談だったのですが、それぞれ米の選び方にしっかりとした具体的理由があって、まさしくプロ同士の会話。非常に参考になり、読んでいて楽しい記事でした。