今回のエントリーは、インクジェットプリンタの話題です。当店では常時3台のインクジェットプリンタを使用しています。先日、A3プリンタが壊れましたので、買い換えました。3台あると、1年に1台は壊れます。買い換えるごとに、どの機種にしようか調べますから、自然とプリンタ事情に詳しくなっていくのです。
今までのインクジェットプリンタの弱点は、本体は安いけどインク代が高い、そしてすぐに本体が壊れるということでしたが、そういった問題が解決されていく方向性が見えてきました。そして、メーカー間では新しい競争が始まっているようです。
今回購入したエプソンのPX-1700Fです。A3印刷対応。FAX対応。A3までスキャンできます。でも、購入した動機は、全色顔料インク、インク代が安価、本体の耐久性がそこそこあることの3点です。
顔料インクは耐水性があるため、印刷物が水に濡れても滲みません。耐光性もあるので、店内ポップも色褪せが非常に少ないのです。レーザープリンタも考えましたが、やはり色の階調性が不満で、レーザー特有のベタッとしたのっぺり感が、当店のような風景写真をシールにして米袋に貼っている用途には不向きです。
印刷コストは、A4カラーで7.3円、モノクロで2.5円です。A3プリンタは、筐体が大きいので、そのぶんインクカートリッジを大きくできます。インクカートリッジの容量が大きくなれば、結果としてインク代が安くなります。
本体の耐久性は、6万枚まで印刷できるとのこと。以前使っていた同メーカーのA3プリンタで、1.6万枚でした。いまの使い方であれば、3年くらいは買い替えなくて良い計算になります。以前のプリンターが2万2000円くらい。今回は3万3000円くらい。耐久性は3倍以上ありますから、充分お釣りが来ます。
いまのところ耐久性を公表しているメーカーはエプソンくらいです(ビジネスモデルのみ)。全色顔料インクもエプソンのみで、ここ2~3年はエプソンばかり買っています。以前はキヤノンのプリンターに惚れていたのですが、いつの間にか、当店のインクジェットは3台ともエプソンになりました。キヤノンには“光沢ゴールド”という、比較的安価で良い写真用紙があるので捨てがたいのですが。。。でもまあ、仕事には全色顔料インクでしょう、やはり。
こちらは去年の8月に購入したエプソンインクジェットプリンタPX-105 。ビジネスプリンタでは一番安いモデルです。6,000円くらいでした。A4まで印刷可能。もちろん全色顔料インクです。
インク代はA4カラーで13.1円。モノクロで4.3円です。上記のA3プリンタのA4カラー7.3円、モノクロ2.5円と比べると、やはり少々割高で、インクカートリッジの容量のなさが如実にでています。
耐久性能は5万枚です。ちゃんと問題なく購入から1年を過ぎました。普通仕事で使うインクジェットプリンタは1年で壊れることも覚悟して購入するのが常識でしたが、そういった常識も覆りつつあります。
というわけで、ビジネスプリンタは性能面でいえば、エプソンの一人勝ち状態です。今現在。
ところが、調べたところ今年の10月からキヤノンがこの分野に新商品を投入してくるようです。いままではブラックインクだけ顔料、あとの色は染料インクというモデルでしたが、オール顔料インクのビジネスモデルが、ついに販売されます。
http://cweb.canon.jp/maxify/index.html
【キヤノン ビジネスプリンタMAXIFYのサイト】
A4カラー印刷6.1円、モノクロ1.8円と、かなり努力のあとが見て取れます。
というわけで、どうもプリンタも新しい競争の時代になったようです。プリンタ本体の多機能さと安価さを売りにした時代から、大容量インクカートリッジを売りにした競争へと変化していっています。
仕事であれば毎日プリンタを使用しますので、インクジェットの欠点である長期間未使用が原因のインクノズルの詰まりも発生しないでしょうし、なによりインクジェットの画質の良さがレーザーよりも魅力的です。
デジカメの世界では、コンパクトデジカメの小型化と並行して高画素化が競われましたが、スペック重視に傾き過ぎて反対に画質が荒れてしまいました。数年前からコンパクトデジカメの高級機の分野で、パナソニックとキヤノンが、そこそこの画素数にあえて抑えて、そのぶん綺麗に撮れるカメラという競争を始めて、今では画素数ではなく撮像素子というセンサーサイズの大きさを競う流れになっています。コンパクトデジカメの高級機の分野でです。そして、ごく一般的なコンパクトデジカメは、すでにシェアをスマホに奪われています。
プリンタの世界も、デジカメで撮影した画像を年賀状や写真に印刷する目的とした多機能低価格プリンタは、徐々にSNSのサービスなどに飲み込まれているのでは。写真はLINEで送ったほうが、手っ取り早いですから。
そういった状況であれば、ビジネス用インクジェットプリンタが進化して競争していく方向性は悪くないですし、どんどん進めていってもらいたいです。ランニングコストがどれだけ安いかの競争の時代ですね。
お店にはもう一台プリンタがありまして、こちらは写真用です。写真用紙に印刷するには、顔料インクよりも染料インクのほうが綺麗です。インクカートリッジも6色ありますので、非常に色味が良く惚れました。全色顔料インクの写真用プリンタも販売されているのですが、そちらは非常に高価です。
インクノズルを詰まらせないように、通常の文書もこちらで印刷して、定期使用を心がけています。
というわけで、お店で使っているのはエプソンばかり、なんとなく寂しい。キヤノン頑張って欲しいなぁと思っていましたら、閃きました。スマホで撮影して加工した画像って、キヤノンだけが販売しているあのプリンタに非常に向いているのでは。。。
家で眠っていたSELPHY CP740。インクリボンを熱によって転写させる昇華型プリンタです。インクジェットのようなドット印刷ではないため滑らかな印刷具合になります。
数年前までオール顔料インクのインクジェットプリンタなど存在せず、耐水性や耐光性を考えた場合は、この昇華型プリンタも選択肢のひとつでした。買った当時は、よく使っていたのですが、インクジェットプリンタで印刷したものと比べると発色が地味でパッとしません。暗めのアート系の写真ならカッコよく印刷できるのですが。。。そして、そのうち使わなくなりました。
でも今はスマホ全盛期。上の画像のように、スマホで撮影した写真を、こういった感じに味わい深く加工するやり方が、流行っています。トイカメラ風といいますか、ちょいと懐かしい感じにすぐに加工できます。
こういった質感の写真って、インクジェットプリンタで印刷すると雰囲気がなかなか出ないのですが、この昇華型プリンタ、SELPHYで印刷すると。。。
ぬおー!!めちゃカッコイイ!!
スマホの画質の粗さやボヤッと感が、味になっている!!
というわけで、スゴイ発見をしました。現在のSELPHYの最新モデルでは、iPhoneやiPadからWi-Fiで印刷できるそうです。
http://cweb.canon.jp/cpp/lineup/cp910/index.html
SELPHYはインクリボンと専用用紙のセット販売ですので、L版サイズとポストカードサイズの2種類しか販売されていません。今年は、残暑お見舞いのお返しを書くのも遅れましたし、これはお店専用のポストカードを作ってストックしててもいいかもしれません。ちなみにポストカードサイズの専用紙は、裏がほんとにポストカードになっています。
携帯できるサイズのプリンタですので、旅行先で印刷して家族や友人にメッセージを添えて送ることもできますね。これはキヤノンさん、このプリンタをいっちょ育ててみては。世界的にはAndroidユーザーのほうが多いので、対応させたモデルの販売を希望します。
訂正:SELPHYの最新機種はAndroidも対応していました(汗)。