日経トレンディネットに掲載されました。その2。

本日届いた米穀業界新聞「商経アドバイス」の一面の片隅に、新潟県が調査した第2回新潟コシDNA検査の結果が掲載されていました。

昨年7月から10月の期間に、首都圏、関西圏、そしてインターネットで販売されている「新潟コシヒカリ」を80点集めてDNA調査をしたところ、12点に他の品種が混入していたという結果でした。

一番多いのは、新潟コシヒカリに他産地のコシヒカリを混ぜたもので、全体の12.5%。正真正銘の新潟コシヒカリが100%入っていたものは、全体の71.3%です。

こういう話題になると、何か他のお米が混ざっていても、実際に食べてみたら違いなど分からないからいいという意見が出ます。こういった意見にはとても心が傷みます。というのも、品質が低すぎて偽物の新潟コシヒカリと見分けがつかないような100%新潟コシヒカリもあるだろうな、と容易に想像ができるからです。

果たして、全体の新潟コシヒカリのうち、「これぞ新潟コシヒカリ!」と納得いくようなものが、71.3%のうちのどれほどを占めているのだろうかと、そう思いながら記事を読んでいました。

新潟コシヒカリですら、今は価格競争の波に翻弄されています。安価は品質を担保しませんから、厳しい状況は続くでしょう。

ちなみに今回の商経アドバイスのトップ記事は、「低価格銘柄(の価格)が2割上昇」というものでした。昨年に比べて玄米価格は上位銘柄で5%、中位銘柄で10%の上昇です。日本全体の話しなので、グラデーションはもちろんありますし、下がり続けたお米の価格が2年連続で上昇しているのも、生産者の手取りを考えると歓迎できる面もあります。

が、お米として商品化した際には品質面は低くなっていくでしょう。今は大規模小売店の力がとても強いですから、原料玄米の高騰をいくばくか価格に転嫁できても、そんなに納入価格をあげきれないと思います。となるとやはり、品質面が犠牲になりやすくなります。食味を落とす原因になるような問題のある米粒が混入していくのも敢えて見逃し、重量を嵩上げして利益を削らないようにしないといけないようなシチュエーションは現場で増えるでしょう。ただでさえ、今年のお米の出来は全体的に余りよくありません。

この状況が見えていましたので、日経トレンディネットさんからの取材申し込みがあったときに、そのあたりを強調して今回記事にして頂きました。美味しいお米とは何か?を多くの人に知って頂きたく。

お米屋さんなら当たり前過ぎるレベルの内容ですが、だからこそ、全国的に無名の弊店が言うべきことではないかと思います。基礎の部分です。

前回ご紹介頂いた福井県池田産「舞いけだコシヒカリ」に続き、佐賀県相知産「まつら夢しずく」を取材して頂きました。飲食店さんは福岡市南区寺塚に移転された「レストランOHANA」さんです。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/082600073/122700007/
【日経トレンディネット 私の推し米 まつら夢しずく】

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